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鉄馬と共に雲に近づく
標高が上がるにつれて
視界に広がる雲は
より大きく
より厳しく
より冷たく
より優しく
私たちを包み込む
下界で見るそれとは
あきらかに違う表情で
下界で感じるそれとは
あきらかに違う温度で
鉄馬が悲鳴をあげ
先ほどまでの暑さも忘れ
必死で近づく
私達の視線と
同じ高さに現れては
あざ笑うように
まだ高く まだ高く
悠々と往く
やっと登った
標高 2,700m地点で
やっと見せた
霧の顔をした雲
とめどなく溢れ出るものは
けっして とどまる事を知らない
私達が ふと足を止めた間にも
姿を変えて
のぼって往く
写真にはおさまることの無かった
北側の雲
横一列に整列して
私達を見送った雲
ありがとう
決して 忘れない
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